業界の常識は世間の非常識④
篠田です。

僕は今年、小学校のPTA会長を務めています。

PTAでは単年度ごとなので、これまでどおりを踏襲しがちで、なかなか新しいことをしづらい雰囲気があります。
(もちろん新しいこともやりますが)

それは事業もそうだし物品関係もそうです。
僕の小学校ではずいぶん古いPCをかれこれ10年使っていました。
(画面が化石のようでした)

そんなPCを使って作業をしてくれる副会長や書記、会計のみなさん。
そんなみなさんが必死に作業されるのを見るに見かねて、今年、PCを買おうと思いました。

予算つけます!

僕は一応、最終決裁権者です。

普段から意思決定が仕事なので、今回のPC購入もみんなの希望と僕の決定があれば出来ると思っていました。

今年度予算総会は来月なので、これはチャンス!
もう付ける気満々でどのPCにしようかを考え始めました。

教頭先生の許可がいる!?

すっかりPCを買う気になっていた矢先、役員のお一人から指摘が入ります。

「何かを買うには教頭先生の許可がいるそうです。」

PTAなのに学校側の許可がいる!?
そんな主体性なくていいのかPTA?

でも、これまでそうなっているのなら、それはそれで仕方がないことです。
前例踏襲を批判する前に、前例踏襲の中でもやりたいことが出来るようになるべき、というのが僕の考えです。

なぜそれが必要なのか?

僕は仕事柄、「それ必要ですか?」ってよく聞きます。
事業ではなく管理行政をやっていたクセだと思いますが、ひとつひとつに理由を求めます。

でも、逆もまた然りです。
必要だと思うものは、きちんと理由を考えます。

今回のPCもなぜ必要なのかを理解してもらうために、いくつか理由を考えました。

(理由1)OSが古い。

今使っている10年前のPCはOSがビスタ。OSが古くても使えますが、保守サービスが終了しているので、故障したときの恐怖は計り知れません。

(理由2)PCの数と使う人の数が合っていない。

今や、どんな仕事にもPCは欠かせません。
PTAでも同様です。
役員もさまざまな書類を作って送付したり、管理したりします。

にもかかわらず、PCが事務所に一つしかありません。
それでは役員の負担が大きくなってしまいます。

(理由3)利用可能な予算がある。

PTAでは、毎年備品の積立てをしていました。
にもかかわらずそれが一切使われていません。

交渉の結果…

こうした理由をひっさげて、教頭先生に話をしにいくわけです。
結果として、無事にPTAの独自性を約束してもらい、PCの予算がつくことになりました。

まぁいつもいつもうまくいくわけではありませんが、いつもの考え方が活かされることも往々にしてありますね。


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篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]