休眠預金活用法ってご存知ですか?

正式名称は、「国民公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」。
(法律名っていつも思うけどほんま長過ぎ・・・)

 

「休眠預金」とは、引っ越しなどによって口座の存在を忘れてしまったり、預金者が家族等に口座の存在を知らせずに亡くなったりして塩漬け状態になって、銀行等に10年以上放置されているお金のことです。

これまで、このお金は銀行の利益・財産として計上されていました。

ですが、休眠預金は一般市民の財産です。

銀行の利益になるのはそもそもおかしい。

誰にも活用されずに放置されているのなら、社会的意義のある活動に活用していく仕組みをつくってはどうか。

 

そうやって生まれたのが、休眠預金活用法です。

この法律の成立には、NPOの連合体である「新公益連盟」が、実現に向けて強く働きかけていました。

こうした多くの方々の努力が実り、昨年の12月に法案が成立したわけです。

 

僕自身は、この休眠預金活用法にはこれまであまり興味を持っていませんでした。

あぶく銭のようなものに頼る仕組みをつくりだすような気がしていたからです。

ですが、先日の公聴会に参加をして、考え方が少し変わりました。

休眠預金活用法の公聴会に行ってきたお話

年間700億円近いお金が休眠預金として計上され、その巨額の資金がソーシャルセクターに投下されます。

これはチャンスであると同時に大いなる試練です。

資金が入ってくることはありがたいことです。

ですが、それをうまく活用するパワーがNPOの側に必要です。

現状でそのパワーを持つのは一部のメガNPO(と呼んでみますが)くらいですが、僕たちにもその資金を活用できるパワーを手に入れることができるのか。

でも、そうしなければ、700億円なんて活かすことができません。

 

そしてもう1つ。

このお金は、休眠預金から法律によって半強制的に引っ張ってくるものです。

預金者の意図とは違う使い方をされるわけです。

だからこそ、そのお金の流れは透明性が不可欠ですし、社会的インパクトをしっかりと出していかなければなりません。

だから、ただのあぶく銭でも、棚から降ってきたものでもなく、しっかりと活用する方法を、そして活用する団体の基盤を、しっかり強化していく必要がありますね。

 

お金が流入してあふれた希望と、そのお金を使う責任と。

思った以上に大きな話だと理解しました。

 

以上、頑張ろう・・・篠田でした。

 


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篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]