父子をFJKの父子ツアーに送り出したママの話~「41歳で育休を取ってシアトルに行ったパパの話」番外編

父子ツアーinシアトル」は、父子だけの限界状態をつくることで、他では決して得られない楽しさ、そして成長をもたらします。

参加した石原さんのブログから、それをメッチャ感じました。

でも、その楽しさや、成長は、父子だけのものではありません。

「父子ツアーinシアトル」によって得られるそれは、パートナーのなみなみならぬ覚悟や信念、そして、抱えきれないほどの不安の上に成り立っていることを忘れてはいけません。

 

石原さんの奥さんは、関東在住にもかかわらず、パパとともに報告会にまでお越しくださいました。

また、いろんなところで父子ツアーのことをお話してくださっていたので、送り出した奥さんの立場として、この父子ツアーについての感想を聞かせていただきました。

 

これはいかせるしかない!

「父子ツアーinシアトル」の情報を最初に発見されたのは奥さんの方でした。

見た瞬間、夫に勧められたそうです。

 

篠田「なぜ「行かせるしかない!」と思ったんですか?」

石原さんの奥さん(以下、ママ)「とにかく、パパは息子くんと気が合わないんです。」
(それね、父子ツアー中にも感じられることはたしかにありましたね。)

ママ「育休もとってるのに、関わり方が苦手と言うか・・・夫の息子への期待が空回りしてる感じでした。」

ママ「その関係性がすごく不安で。私から言ってもどうにもうまくいかなかったので、藁にもすがる想いで申込みを打診しました」

篠田「なるほど、でもその空回りっていうのは僕も経験あるのでわかります。」

 

夢までみた最悪の結末

篠田「最終的なパパのエントリーが実を結んで行くことができたわけですね。」

ママ「本当にうれしかったんですけど、同時に不安でもありました。」

篠田「どんなところが?」

ママ「ひとつは、息子がまわりの子どもとうまくやっていけるのかどうか。」
(これはパパも同じことをおっしゃっていました)

ママ「もうひとつは、パパが途中で諦めないかどうか・・・。」

篠田「えっ・・・それ、どういう?」

ママ「パパ自身、子どもと2人で出かけるなどなかったのですごく不安でした。

ママ「習い事に行くとき、子どもを走らせて自身は自転車でついて行くんですが、途中で息子に怒って、自転車で先に帰ってきたこともあって・・・。」

篠田「それは不安ですね笑」

ママブログにもあったんですけど、父子ツアー3日目、私は友達と温泉旅行に行ってたときに夫から電話がかかってきて「もう父子での旅は最初で最後にしたい」って。」

篠田「あれね、ホンマにビックリしましたよね。」

ママ「もうこっちは何があったのかもわからないし、根本的にどうすることもできないので、彼に任せるしかないんですが・・・とにかく夫が諦めないか不安で不安で・・・あの電話のあったあと、夫が息子を置いて1人シアトルから帰国してしまう夢まで見てしまって・・・。」

篠田「それができないためのシアトルだったんですけど、それすらしかねないほどの電話だったんでしょうね。」

ママ「あの電話以降、何か決意があったようで、一切連絡がなかったんですが、それはそれで不安でしたけど。」

篠田「まぁ、何はともあれ、1人でかえってこなくて良かったですねw」

 

ようやくここまでたどりついた

篠田「無事に帰って来れたわけですが、帰ってからの様子はいかがですか?」

ママ「まぁひと皮むけた感はありますね。」

篠田「たとえばどんなところが?」

ママ「まず、以前はすぐに怒っていたのが、すぐにカッとはならなくなりました。」

篠田「シアトルのパパから、「アメリカでのロジカルな子育て」を聞いてから、息子くんに向き合えている感じですね。」

ママ「さっきもお話しましたけど、息子は泣きながら特訓させられていたんですけど、そういうのがなくなりましたから。」
(なんか、マウントレーニアでいろいろ感動してましたけど、その裏には血のにじむような訓練があったんですね・・・泣)

ママ「昔は、古い考え方の人だったので、正直・・・子育てには期待してなかったんです。」

篠田「へぇ!マジですか!?」

ママ「ホントに全然やるような人じゃなくて、長男のときは保育所送迎も嫌がっていたました。長女のときから、女の子だったからやむを得ずやりはじめた感じですね。育休取るなんて本当に考えられなかったです。まるで別人です。」
(それはきっと、ママのたゆまぬ努力のたまものです!)

ママ「別人といえば、私はマドレボニータのマドレ会員なんですけど、夫はNPOには全然関心がなくて、むしろ怪しげな団体くらいに思ってたんです。」

篠田「それもメッチャ意外!笑」

ママ「私がどれだけ団体のことを説明しても全然意識が変わらなかったんですが、父子ツアーinシアトルを通じて、NPOに対する考え方も変わって、「NPOに転職しようかな?」とか言い出すくらいになって。その振れ幅は一体なんなん!?って思ったりもしますけど笑」

篠田「人って・・・変わるもんですねw」

 

これからのこと

篠田「最後に、今後のことをお聞きしたいんですが、石原さんはツアー中から「シアトルに移住したい」と本気で思ってらしゃるようですが、そのあたり、奥さん的にはいかがですか?」

ママ「夫に本当にやりたいことが見つかったのであれば、心から応援したいと思っています。でも、そのためには、もう少しいろんなことを見つめてほしいですね。」

篠田「というと?」

ママ「長男は、漢字がすごく得意で、4年生くらいの漢字もマスターしてるんですけど、小学校では使うと怒られるので使わなくなってしまったんです。そういう理不尽なことはたくさんあります。でも、日本にもいいところはたくさんある。それらもしっかり秤にかけた上で選択することが必要かなと。」

篠田「おっしゃるとおりですね。「父子ツアーinシアトル」も、参加者にアメリカや海外のことが好きになって欲しいと思っているわけではないんです。大事なのは、自分の選択や判断が体験のうえに成り立っていることだと思うんです。父子ツアーの結果、シアトルが嫌いになってもいい。でも、嫌いになるという判断が、行ってみて水が合わなかったからとか、そういう体験によるものであって欲しいんです。なんとなく治安が不安だから、英語しゃべれないから行かない、キライ、というのは理由としてあまりにももったいないですよね。」

ママ「そうですね。とりあえず、まずはシアトルロスで物思いにふけってる時間がもったいないので、夢から覚めていろいろと行動して目的を描いて欲しいです笑」

篠田「次は、ご家族で英語圏への短期留学を計画中ということで、石原家のシアトル移住計画に向けたアクティブな行動力は本当に尊敬しています。もしも移住されるにあたっては、僕でできることがあればいつでもおっしゃってください。心から応援していますので!」

ママ「ありがとうございます笑」

 

石原さんの奥さんには、お時間をいただいてお話を聞かせていただいただけでなく、いろんなところで発信もしてくださっていて、とっても応援していただいていて、心から感謝しています。

本当に、次なる目標に向けて、頑張れ石原家!

 

以上、父子ツアー番外編その1でした、篠田でした。

 


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篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]