ゴジラの話が子育てにつながるので前半のオタ話にもお付き合いください。

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12年ぶりに日本製作のゴジラ映画が公開されます。
『シン・ゴジラ』
監督はエヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明。

今回の映画に怪獣はゴジラ1体しか出てきません。
ゴジラ映画の原点に帰って「怖いゴジラ」を目指して製作されたそうです。
子ども向けの映画ではありません。

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第1作『ゴジラ』に登場した怪獣は、人類に対して一方的に圧倒的な力を振るうもの。
ゴジラが登場したら人類はひたすら蹂躙されるがまま、
息を殺して小さくなっているしかありませんでした。

しかし、ゴジラはシリーズが進むにつれて怖くなくなっていき、子ども向けになりました。
怖くなくなったきっかけはもう1体の怪獣の登場です。
2作目『ゴジラの逆襲』にアンギラスが登場してから、ゴジラ映画の主題は怪獣同士の戦いになります。

ひたすら人類に向かってきて人類を蹂躙する1作目のゴジラはひたすら怖かった。
しかし、怪獣同士で戦うようになった2作目以降のゴジラは怖くありません。
ゴジラの気が他にそれているから。
人類は戦っている怪獣の足元でちょっと息をついて、対策を考えることができるようになりました。

そんなゴジラ映画を子どもたちは楽しみました。

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子どもの力がおよばない圧倒的な力を持つ親は、子どもにとって怪獣的な存在と言えます。

しばしばヤンチャ男子を怪獣なんて表現します。
チビ怪獣に手をやく親の気持ちはすんごくわかる。

でも、親は子どもを怪獣と呼ぶ表現力を持っていますが、子どもはその表現力をまだ持っていないだけ。
現実は子どもにとっての親のほうがはるかに怪獣です。

その怪獣的な親が、ずっと子どもに向かってきたらどうでしょうか。
別に暴力をふるうという話ではありません。
遊び方を指示し、友人関係に口を出し、勉強の仕方に注文する。
子どもへの親からの強い干渉は社会問題にもなっています。
たとえば『母親の過干渉』を問題にする本は多いです。

あまりに強い干渉をする母親の元での子どもは第1作のゴジラ映画での人類と同じです。
息を殺して言われるがまま。
ほっと息をついたり、自分なりの考えを練る隙間がありません。

子どものためのゴジラ映画には空いて怪獣が必要です。
親が2人いる家庭で、もし母親がゴジラなら、父親は対戦相手のアンギラスになる。
父親と母親は価値観をぶつけあう戦いをしているほうがいい。

子どもはその隙間でほっと息をついて、自分の考えを育てることができます。
親同士の戦いから何かを学ぶこともできます。

両親の育児方針・価値観は同じにしないといけない、そんな意見もあります。
でもそれでは、ゴジラとアンギラスが登場したのに2体とも人類に向かってくる映画になってしまう。

そんなゴジラ、子どもは楽しめへん!

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蛇足
文章をわかりやすくするために母親をゴジラとしてますけど、親の性別は関係ないです。
父親からの勉強への過干渉『教育虐待』というケースも多いです。
シングルのご家庭では他の方法で子どもから気をそらされてる方が多いです。


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和田 憲明

副理事長 / マジックパパファザーリング・ジャパン関西
マジックパパ代表、主夫。娘の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。FJKでは初代理事長、現副理事長を務める。特技は手品、趣味はSF・特撮・アニメのオタク系パパ。 [⇒詳細プロフィール]