以前、園長として務めていた小規模保育園では、事務所と保育室の間の扉をできるだけ開けていました。

仕切りは子どもが越えらえない高さのベビーゲートだけ。

事務作業をしていても保育室の様子がよく伝わってきます。

 

パソコンに向かっていると保育室の子どもが、

「(えんちょうせんせい)これみて!」

とゲート越しにいろいろ持ってきます。

 

それは自分で組み立てたブロックの車だったり、

外から拾ってきた石ころだったり、

時にはくしゃくしゃのペーパータオルだったりします。

 

いろいろな返事の選択肢が思いつきます。

ブロックだったら「よくできたね」「かっこいいね」「すごいね」

石ころだったら「どこでひろったの」「おもしろい形だね」

くしゃくしゃのペーパータオルだったら…どうします?

上の選択肢の前にオススメな一言があります。それは、

「見たよ」

 

子ども「みて!」。私「見たよ」。

 

以上。これだけで8割の子どもは満足して、事務所のゲートを離れて別の遊びをしはじめます。

子どもが「みて」と言う時、その言葉通り「見て」もらうことが目的な場合がほとんど。

大人が「見て」くれれば満足で、もしかしたら「よくできたね」の褒め言葉や「どこでひろったの」という質問は余計なのかもしれません。

 

もし子ども自身がそれ以上の対話を求めていれば、子どもの方からブロックで何を作ったか説明しはじめたり、どこで拾った石かを教えてくれます。

くしゃくしゃのペーパータオルは「見たよ」と答えたら、すぐゴミ箱に捨てに行きました。

もしかしたらゴミ箱に捨てるところを「みて」ほしかったのかも。

 

子どもの「みて!」にはまず「見たよ」。

忙しい家庭でもオススメです。

 

 


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和田 憲明

副理事長 / マジックパパファザーリング・ジャパン関西
マジックパパ代表、主夫。娘の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。FJKでは初代理事長、現副理事長を務める。特技は手品、趣味はSF・特撮・アニメのオタク系パパ。 [⇒詳細プロフィール]