マジックパパの和田です。今朝はカタい上に長い話。
昨日5/18付けの毎日新聞の記事です。
<HKT48>「女性蔑視の歌詞だ」新曲に批判
HKT48の新曲「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の歌詞については発表直後からウェブでは炎上騒ぎになっていたようです。
恵泉女学園大学拡張の大日向雅美学長が、先週に自身のブログで取り上げられたことで今回の新聞記事になりました。
記事の見出しで誤解しそうですが、大日向さんはこの曲を「女性蔑視」だという単純な批判をされたわけではありません。
元記事を読んでいただけるとわかりますが、この歌詞に対して、先生自身と教え子の女子学生が持った違和感の内容を紹介する、というとても冷静な内容です。
女の子はアインシュタインなんか知らなくていい?
『ネット上では「女性差別だ」と炎上していましたが、さて私の「心理女性学」受講生たちの反応は・・・?』
ーーー
さて、僕がこの記事を書くのは僕自身もひっかかっているからです。
ひっかかってるなりにどの切り口から書こうか迷った末の切り口が父親の立場から書くこと。
僕にも思春期にさしかかる娘がいますので、こんなタイトルにしてみました。
『もし娘がアインシュタインよりディアナ・アグロンになりたいと言ったら?』
そもそも、僕がひっかかっているのは歌詞の内容ではなくて、それに対する世間の反応です。
webで炎上したり、新聞ネタになったこと自体がひっかかってます。
歌詞について僕は何にも思いません。
HKT48もよく知らないし、昨日新聞を見るまでこの歌も炎上騒ぎも知らなかったくらいです。
さてここから本題。
まず、日本では表現の自由が憲法で保証されています。
次に、作品・表現というのは偏ってないと面白くありません。
さらに、面白いものでないと商業的に売れません。
大日向さんのブログの女子学生が作った替え歌と元の歌詞、どっちが面白いか。
圧倒的に元の歌詞だと僕は感じます。
学術論文じゃなくて商業的に売れるものを作ってるんだ、という程度の単純なリテラシーがあればこの歌詞にムキになって反論する必要もない。
大日向さんのように「私はこう感じた」が正しい反応だと思います。
この歌詞を真に受ける若者がいたら困るという「大人」もいらっしゃるようですが、その心配は若者を見くびってます。
ほとんどの若者は上記程度のリテラシーは持っています。
10代のアイドルたちも頭カラッポの歌を「演じている」んです。
芸能の現場経験のない多くの大人よりある意味はるかに「わかっている」
多くのアイドルがある時点で「頭カラッポ」「可愛い」から脱皮していることなんて、ちょっとテレビを見てれば分かります。
ーーー
これと比べたら怒る方もいらっしゃるかもしれませんがあえて、
「夜の校舎窓ガラス壊して回った」
に対して
「校舎に侵入して窓ガラスを割るのは犯罪です」
と答えても意味がない。
「盗んだバイクで走りだす」
と聞いて
「バイクを盗まれた人の気持ちを考えなさい」
と諭しても仕方がない。
常識を壊して別世界に行けるから、自分の欲望を代弁してくれるから、
人は偏った歌詞の楽曲を支持するんです。
ーーー
最近似たようなことがあったなぁ、と思い出しました。
タバコとアニメとナチスの香り 『風立ちぬ』批判への反論と宮崎駿論
『これは何かのジョークか、と見紛(みまが)うようなヘッドラインが過日世間を賑(にぎ)わせた。NPO法人「日本禁煙学会」が、現在公開中でロングランが続く『風立ちぬ』に対し、猛烈な抗議を行ったのである。』
宮崎駿さんは売れるものを目指した結果というよりも、アニメ作家として自身の表現を突き詰めた結果があのシーンになったという感じですけれども。
表現と世間からの反応が今回と似てます。
ーーー
あ、タイトルの答えを書くの忘れてた。
娘「私、アインシュタインよりディアナ・アグロンになりたいわ」
僕「アインシュタインになるのも才能いるけど、
ディアナなんとかさんになるのも大変やろな。
まあがんばれ」
fin
和田 憲明
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