エンドロールが終わって席を立とうとした瞬間、顎が疲れているのに気がついた。
映画中、奥歯を噛み締めていたらしい。
アリータに感情移入して没頭した2時間だった。

宣伝を見る限りは「よくある」映画だ。ハリウッド大作、マンガ原作、SF、最新の映像技術、バトル少女もの……などなど。
全てはミミタコの宣伝文句。だけどアリータはその全てが上手く噛み合った奇跡的な映画だった。
まずは作りが丁寧だ。
日本の90年代漫画の世界を最新の映像技術で映像化するとこんなにも凄い世界が描けるのかと驚嘆した。
世界がしっかりしているから、安心して登場人物に感情移入できる。

この映画のメインはSFバトルではない。
思春期少女の成長と自立だ。
主人公のサイボーグ少女、アリータは壊れて捨てられたところを医師にひろわれて新しい身体を与えらえる。
彼女の脳は10代のティーン。
父のような存在である医師との葛藤、同年代の少年との淡い恋、母のような存在との和解。そして自分探し。
この映画には少女の成長が全て詰まっている。

何よりもすばらしいのは、主人公のアリータが思春期の嵐の中でも常に凛としたたたずまいであることだ。
がんばれ、思春期少女。
がんばれ、うちの受験生長女。人は試練を乗り越えて成長するのだから。

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和田 憲明

副理事長 / マジックパパファザーリング・ジャパン関西
マジックパパ代表、主夫。娘の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。FJKでは初代理事長、現副理事長を務める。特技は手品、趣味はSF・特撮・アニメのオタク系パパ。 [⇒詳細プロフィール]