スケート靴を脱いだ瞬間の開放感は格別だ。これほど足が喜ぶのは足湯に浸かった時以上かもしれない。
この5年、大晦日はアイススケートに行っている。特に行事のない年末にヒマを持て余した娘たちを連れていくのにちょうどいい。この大晦日は次女とその友達を連れて難波のアイススケート場に行った。大晦日午前のアイススケート場はあまり混んでおらず滑りやすい人の密度だ。スケート靴をレンタルする。これは足を締め付ける。スケート靴との相性やちょっとした履き方で足が擦れて靴擦れができたりする。
アイススケート5年目の次女はずいぶん慣れてスイスイ滑る。一度はぼーっと滑っていた僕の背中に次女がタッチしてびっくりした。パパよりも速いスピードで滑ってたようだ。機嫌よく3人で2時間滑った。不慣れだった次女の友達もすぐに滑れるようになった。3人で時には縦に並んで、時にはバラバラでくるくるリンクと回る2時間。スケートは楽しいけれど、足は痛くなる。案の定、次女はふくらはぎに靴擦れを作り、僕は親指の付け根が赤くなった。その分、スケート靴を脱いだ瞬間の足の開放感は最高だ。
長女が生まれてから15年、主夫として育児家事を中心にして生きてきた。しかし父親として育児をする役割は随分減ったと感じる。この5年を思い返しても3年前、長女が小六までは長女次女とそれぞれの友達合計6人くらいと一緒にアイススケートを滑った。今年は次女とその友達だけ。僕を入れて3人だ。次女も10歳になってパパと出かけたり遊んだりする機会は激減した。最近は僕の方から次女に「なんかして遊ばへん?」と誘ったりする。
スケート靴から解放された足は、歩いて家に帰るという役割が明確だ。しかし、子育てを終わった親の役割は決まっていない。親自身で役割を決めなくてはならない。これからどこに歩いて向かおうか。足湯でぬくぬくしてはいられない。

和田 憲明

最新記事 by 和田 憲明 (全て見る)
- 【告知】FJK的オンライン読書会#3 4/16(金)21:00~22:30 - 2021年4月11日
- FJK映像制作サロンはじめました - 2020年8月30日
- 警備員さんはアグレッシブ - 2019年4月25日
- 通学路の女性はロールモデルだった - 2019年4月24日