最初の機動戦士ガンダム、いまだに大人の男性向け新商品が出続けています。
特に人気キャラクターのシャアなんて、プラモデルはもちろんボールペンから車まで、ものすごい数の関連商品が売られ続け、売れ続けています。
でも僕は、シャアの格好よさを語りたいとは全く思わない。
ガンダムに関して父親世代が今こそ語るべきは、シャア以外の大人の登場人物です。
ガンダムの主人公はアムロ。アムロは15歳の子どもです。
艦長のブライトも19歳のギリギリ子ども。
シャアですら20歳。
自分の半分くらいしか生きていない若者を「格好いい」なんていつまで言ってるんでしょう。
ガンダムは彼ら子ども達が過酷な戦場を生き抜く物語。
さて、そんな子ども達をとりまく大人達はどう描かれているでしょうか。
ガンダムに登場する大人は、
a 無能
b 死ぬ
の2択しかありません。
まず1の無能な大人達。これはアムロ達の味方のはずの連邦軍の士官達です。
連邦軍の士官は、そのほとんどが碌でもない人間として描かれています。
無能、無気力、ガチガチの官僚主義者。
その中で数少ない立派な大人、子どもの手本になりそうな大人は、みな物語中に死んでしまいます。
パオロ艦長、ウッディー大尉、レビル将軍などです。
アムロ達にとって手本になりうる立派な大人は敵のジオン側にもいます。
その代表的な人物がランバ・ラル。他にもシャリア・ブルやドズル・ザビという大人は自分の役割を果たす立派な大人でした。
しかし彼らも全員死んでしまう。
・ほとんどの大人は子どもの成長に役立たない
・役に立つ大人は死ぬ=いなくなる
・子どもは自力で過酷な現実を生き延び、自力で成長する
これが機動戦士ガンダムの現実。
物語の中で死んだ(いなくなった)立派な大人達は、決して死にたくて死んだのではありません。
家庭に不在がちな日本の父親に極めてシビアな現実をつきつけてくる物語です。
今一度、最初のガンダムを子どもと大人の関係性に注目して鑑賞してみませんか?
シャアの見かけの格好よさばかりに惹かれているのはもったいない!
ーーー
電子書籍の新刊にレビューをいただきました。
☆☆☆☆☆ドラゴンボールの父親たち?! 2017年8月16日
5つ星レビューでめっちゃ嬉しかったんですけど、ガンダムについてはプラモデルのことしか書いていません。
これを機会に書かせてもらったのがこの記事です。
和田 憲明
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