昨夜は家族と回り寿司店で合流。
そこで次女が「パパのお寿司の食べ方こうやんな」と私のマネをしました。
握り寿司の向こう側を3本指でつまんで手前にひっくり返す。
するとネタが下になる。
そのままネタにだけ醤油をつけてネタが下のまま口に入れる。
これ、志賀直哉の『小僧の神様』に書いてあった握り寿司の食べ方。
より正確には、中学校の国語教師が当時の教科書に載っていた『小僧の神様』の授業中に、
「この描写はこういう動きです。奥をこう持って手前にクルっとひっくり返して、醤油をネタ煮付けて口に入れる。この食べ方が美味しく、正しく、そして粋なんです!」
とゼスチャ交えて熱心に解説された方法。
本当は『小僧の神様』内の描写は「ネタを下にして食べるといいよ」ってだけで、奥をつまんでひっくり返すとも、それが美味しいとも粋とも書いてない。
小説内でネタを下にして食べる理由は「魚が腐ってたらすぐわかる」という超実用的なものでした。
でも中学の授業で国語教師がすごく熱心に解説してくれて、そのゼスチャが凄く美味しそうに感じた記憶は鮮明。
それからしばらくは忘れてたのだけど、20代になって寿司屋に行った時に思い出し、それ以来握り寿司はこの方法でしか食べられなくなった。
次女が私のマネをする直前に読んでいた齋藤孝の『教え力』
そこに書いてあった教えるために大切な2つのこと。
ひとつは「知識」
そして、もうひとつは「熱意」
「熱意」とは教える側が教える内容を「面白い」と感じていて、この面白いことを教えたい!という気持ちが教わる側に伝わるか、ということ。
僕は中学の国語教師の「寿司の正しい食べ方」の熱意に打たれた。
その熱意に打たれたパパの熱意が次女に伝わったに違いない。
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和田 憲明
副理事長 / マジックパパ : ファザーリング・ジャパン関西
マジックパパ代表、主夫。娘の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。FJKでは初代理事長、現副理事長を務める。特技は手品、趣味はSF・特撮・アニメのオタク系パパ。
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