次女とマットの片付けを手伝うことが楽しくって仕方がない。習いごとはお客様気分だけではつまらない。手伝える方が嬉しい。次女が習っている体操教室のことだ。

次女は幼児期から身体を動かすのが大好きで、体操教室に通っていた。幼児期に通っていたのは駅前にある大手の体操教室だ。オリンピック金メダリストの出身クラブとしても有名なところ。そこでの体操教室はいたれりつくせり。開始時間に教室に行けば全ての道具がそろっていて、さっそく体操にとりかかれる。先生から保護者へのフォローも完璧でたとえばちょっと忘れ物をしたり、時間に遅れたりしても何も意見されない。ホスピタリティー満点のホテルのような対応だった。

小学生にあがってから通っているのは平日の夜に小学校の体育館を借りて、個人の先生が格安でやっている教室。午後6時に体育館に集合すると、まず倉庫から道具を出すところから始まる。マット、鉄棒、跳び箱、平均台。たくさんの道具を生徒と先生が協力して設置する。次女は準備が楽しいらしく、いつも集合時間よりも早めに着いて準備の最初から手伝っていたそうだ。1年生からの5年間、遅れていったことはない。

そんな次女の体操教室にロングコースができた。通常は6時から8時までの2時間だが、頑張りたい人だけ月謝プラス1000円で9時まで教えてくれるという。次女は「行く!」と即答した。ロングコースが始まった最初の日、9時に迎えに行くと生徒は次女ともうひとりの男子がいるだけだった。50人中9時まで残るのは2人。つまり先生と2人で後片付けをすることになる。お迎えに行った僕と男子のママは後片付けを手伝った。有名クラブの先生なら手伝わせてくれなかっただろう。お客様に手伝っていただくなんてとんでもない!でもその教室の先生は悪びれなく手伝わせてくれた。「ありがとうございます!」って体育会系の感じで言いながら。

用具の片付け方や収納場所は子どもたちの方が詳しい。子どもたちに指示されながらマットを運び、鉄棒をバラし、跳び箱を積む。「へいきんだいは舞台の上やで」と次女と2人でうんこらしょと平均台を舞台に上げる。小学校の体育館倉庫にはいる機会なんてそうそうないし、子どもに指示をされるなんてこともそうそうない。子どもは親に指示できることをすごく嬉しそうにしている。全部片付け終わってから親子と先生みんなでする帰りの挨拶も清々しい。

「これ、楽しいですね!」もうひとりのママと顔を見合わせた。毎週火曜夜9時の楽しみ。100パーセントお客様の気楽さもいい。だけど我が子の成長に組みすることには親も少しは役に立てると気分がいい。親は楽しく子どもは嬉しい。保育園も学校もPTAも、そして習い事も。


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和田 憲明

副理事長 / マジックパパファザーリング・ジャパン関西
マジックパパ代表、主夫。娘の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。FJKでは初代理事長、現副理事長を務める。特技は手品、趣味はSF・特撮・アニメのオタク系パパ。 [⇒詳細プロフィール]