小学校4年生最後の参観、最近では「1/2成人式」っていうんですね。
1/2成人式って?
20歳になると成人式を経て大人の仲間入り。
10歳はその半分なので、その節目を記念して1/2成人式を開催するところが増えています。
主に運営主体は学校で、きちんとした式典にするところもあれば、さらりと終わらせるところもあり、形態は学校によって様々です。
目的もまたいろいろですが、最近では10歳まで育ててくれたことへの「感謝」という言葉がよく使われているように思います。
親への感謝の気持ちを伝える。
それが「1/2成人式」。
本来の目的は、卒業式までに、背筋を伸ばして参加できる式典が必要だという1人の先生の発案から生まれたとかそうででないとか・・・。
1/2成人式への批判
いいイベントだと思う人が多い一方で、1/2成人式への批判もいろいろと出ています。
読んでいくと、1/2成人式そのものではなく、目的や作り方が旧態然とした考え方(「父は仕事、母は感謝されるほどにしっかりと子育て」)に基づいた在り方への問題提起だと感じました。
意見としてはよくわかります。
でも、「親子の形態は様々だから感謝とかを強制するイベントはやめよう!」というのは正直どうかなって気がしています。
長男の1/2成人式
我が家も長男が10歳の4年生になり、2月の学年授業参観で1/2成人式的なことをしました。
まぁ、実際には1年間学んだことを友達たちと一緒に発表しあい、10年間の確かな成長を感じ取ってもらうことを目的としたプログラムで、普通の授業参観の風景でした。
「感謝」って言葉がやや強調されているなぁとは思いましたけど・・・。
スライドショーを使いながら進行し、音楽に合わせてリコーダーや大縄跳び、ダンス、星座の発表などなどを行うんですが、自分たちですべての進行をおこなうという難易度の高いものです。
でも、それを子どもたちはしっかりやりとげる。
その能力の高さに正直ビックリでした。
4年生ってもう高学年なんですね。
(親のどれほどがそれを出来るというのか・・・見ている親のほとんどは出来ませんよ、きっと。)
最後の大合唱のときは、妻もまわりのお母さんもみんな一斉にハンカチを取り出して、もうほとんどが泣いていたのは言うまでもありません。
うちのそれは、もしかすると批判の対象やまわりで行われる1/2成人式とは少し様子が違っているかもしれません。
だからこそ円満に開催できた、と言っても言い過ぎではないと思います。
今回の参観を見て、1/2成人式については、もっといろんな形でやってもいいんじゃないかと思えるようになりました。
どんな形が望ましいのか?
1/2成人式の前に、20歳の成人式を見てみると・・・
新成人を招いて、大人たちが激励やお祝いの言葉をかけることが、ひとつの目的になっています。
そして、それに対して新成人が、大人になったうえでの決意を表明します。
一方、1/2成人式は、子どもたちが一方的に感謝することが特徴になっているような気がします。
感謝のためには過去を振り返らないといけない。
暗い過去を持っているなら、そんな過去は振り返りたくはない。
でも、1/2成人式というプログラムのために、強制的に振り返らされてしまう。
おそらくそれが問題なんですよね。
「”つ”のつくうちは膝のうえ」っていうじゃないですか。
1歳、2歳は、ひとつ、ふたつ。
8歳、9歳は、やっつ、ここのつ。
10歳になるとつが抜けて、親の膝元から離れて甘えがなくなっていくという意味です(たぶん)。
だから、膝元から離れていく子どもたちに、親が、地域の大人が、そして先生が、激励の言葉をかける。
あとは、普通に1年間の振り返りをいろんな形で表現する。
そういうものでいいんじゃないかと思うんです。
10歳なんて、つが抜けたといってもまだまだ子どもです。
そんな子どもたちに、決意も何もさせなくていい。
今、この瞬間を楽しく過ごすことを、親は見守ってあげられたら、それで十分だと思います。
そんな1/2成人式なら、もっともっと増えていってくれたらいいのではないでしょうか。
以上、子どもたち全員が楽しそうに出来る仕組みがつくれたら理想ですね、篠田でした。
(img via:ajari)
篠田 厚志
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