1月29日「おはよう朝日、火曜日です」のけさのクローズアップコーナーにおいて、「夫を本当のイクメンにする方法とは?」という特集を組んでいただきました。

🔗けさのクローズアップ「あなたの夫は本当のイクメンですか?」(ABCテレビ)

 

きっかけは、「父親の子育てにおいて大事にして欲しいこと」をラジオでお話したことでした。

そこからトントン拍子で企画が進みました。

FJKメンバーの座談会も、川崎美千江さんのママ視点の鋭いツッコミも満載で、面白い内容だったかなと手前味噌ながら感じています。

とはいえ、8分間の特集では伝えきれなかったこともありますので、それを補完する意味も込めてまとめてみようと思います。

 

子どもがもとめているのは「全部」

子どもが好きになる人というのは、次の3つをもれなく与えてくれる人です。

①「お腹すいた」「うんちおしっこが気持ち悪い」を取り除く「快」を与えてくれる人

②「もう一回!」「もう一回!」と子どもがイメージできることを繰り返し「安心」を与えてくれる人

③「あれなに?」「これなに?」と子ども達にとっての新しい発見である「刺激」を与えてくれる人

 

赤ちゃん、子どもの多くが「おかあさんがいい!」というのは、母親は「快」や「安心」をたくさん与えているからです。

そういわれて落ち込む、ヒドい場合はやる気をなくす父親は多いですが、産休中からはじまる関わる絶対量が違うので、それは致し方ないところです。

 

父親は間違った挽回方法をとる

昨今は「イクメン」という呼び名によって男性の育児が社会全体からも当たり前に認知されるようになって、子育てに関わろうとする男性は増えてきました。

ですが、多くの父親が仕事のために関わる時間に制約があり、どうしても母親のほうが育児に関わる時間が増える傾向があります。

そこで、父親は母親に比べて足りない時間を、母親よりも得意な領域によって補おうとする傾向があります。

 

それが「刺激」です。

 

その気持ちはわかります。

わかるんですが、「刺激」はそれだけ与えても効果はありません。

「快」や「安心」を与えて子どもとの信頼を築くことによってはじめて意味があるものなんです。

それを理解せずに、「刺激」ばかりを与えても「おかあさんがいい!」をひっくり返すことは出来ません。

 

世の中の時間がない父親こそ、まず「快」や「安心」をしっかり与えることが必要です。

 

対戦相手ではなくチームとして機能させる

「おかあさんがいい!」をひっくり返すと言いましたが、本来は母親と対抗してやるものではありませんよね。

父親も母親もらしさを発揮しつつ、お互いに理解して、一緒にやることがなによりも大事なことです。

とはいえこれがなかなか難しい。

よく話を聞くのがこれ。

妻:やっといてとお願いした食器洗いがいつまでたってもやってもらえない。

夫:こっちにもペースとタイミングがあるからあとでやろうと思ってた。

 

妻にしてみれば、食器洗いのあとに片付けがあり、そのあとにシンク洗いとごみ取り、そして翌日のお米をつけるところまでイメージできているから、早々に食器洗いを片付けたいわけです。

一方の夫は、食器洗いのあとにあることなど考えてません。

寝る前までに片付けておけばいいんやろう・・・くらいなものです。

 

でも、家事には(もちろん子育てにも)常にそのあとにもやるべきことは続いています。

その理解や想像力まで共有できているかが、チームで取り組むためにまずやっておかなければならないポイントです。

お互いにモチベーションはあるだけに、ケンカになるといろいろめんどくさいので、共有ってホントに大事です。

 

そこで大事にしておきたいのが、「今やる理由」と「ゴールの設定」です。

「このあとお米つけるから、30分後には食器を洗っておいてね。」とか、「美容室に行くから3時間だけ子どもと一緒にいてね。」といった伝え方にすると、父親にも役割やゴールイメージがわくの

で、取り組みやすくなります。

(5分でも遅れたら玄関前で待ち構えていたりしますが笑)

 

そんな風に、お互いの特性まで理解して、対戦相手ではなく仲間として取り組むことを忘れないようにしたいですね。

 

父親だって1人で全部やる!

イクメンって定義はないし、別につくるものでもありません。

ただ、FJKでいうイクメンはどんな人かと聞かれたら、僕はこう答えます。

 

「パパ1人で1週間、子どもと生活できる人」

 

簡単にいうと、ワンオペ育児が出来る父親ってことです。

本来、育児は1人でやるもんじゃないし、ハードルは高いかもしれません。

でも、1人であれこれしないといけないときに、母親に頼らず1人で全部できるかどうか。

それこそが、子どもから「好き」と言われるために必要なことです。

結局、子どもはたくさんの時間をかけて子どもが喜ぶことを全部してくれた人のことが好きになりますから。

 

全部を一度にするのは大変です。

一度にする必要もありません。

だって考えてもみてください。

母親だって最初から全部出来てたわけではありません。

チョットずつ毎日関わるから出来るようになるんです。

焦らなくてもいい。

最後には全部できるように、毎日少しずつやればいいんです。

だからこそ「刺激」の前に「快」と「安心」を大事にしてあげてください。

それこそが、子どもから「好き」と言われ、妻からも愛される一番の近道ですから。

 

以上、夫を本当にイクメンにする方法でした。

 


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篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]