「世界一子どもが幸せな国」

 

ユニセフによる先進国31か国を対象におこなわれた子どもの幸福度調査。

「物質的豊かさ」
「健康と安全」
「教育」
「日常生活上のリスク」
「住居と環境」

具体的な内容は調査報告書をご覧になっていただければと思いますが、この調査において世界一になった国、オランダ。

オランダはどういうところが世界一子どもが幸せな国なのか。

一般財団法人1more Baby応援団は、この疑問を解き明かすため、現地調査をおこない、その結果を1冊の本にまとめられました。

それが「18時に帰る」。

ともすると、18時に帰れば幸せになれるのか?って思われてしまいそうですが、著者は決して18時に帰ることが=「子どもの幸福」ではないと語っています。

大事なのは「18時に帰る」ことではなく、「18時に帰る」ことをオランダ人が当たり前に大切にしている、ということです。

早く家に帰って、子ども達と一緒に過ごす。

そのために、働き方(具体的にいうと働く日数や働く時間、通勤の在り方)と暮らし方(家庭や子育てや趣味に費やす時間)のバランスを、理想的な状態にする。

その結果が「18時に帰る」ということだったんです。

 

なんでそんなこと知ってるのって?

実は著者の秋山さんとはチョットしたご縁がありまして、本を読んでからお会いさせていただき、お話を伺うことが出来たからなんです。

今、オランダは「世界一子どもが幸せな国」といわれていますが、かつては日本同様、男性は外で働き、女性は家で子を育てることが当たり前だったそうです。

 

100人いれば100通りの働き方を実現する

何といっても、日本が見習うべきは、枠を決めないということ。

オランダ(欧米諸国)の優れているところは、大枠の部分だけ規則で決めておいて、就労条件などの細かく具体的なところは会社と社員が話し合いながら決められること!

働き方改革の機運が高まりつつある日本ですが、残念ながらその改革は、あくまで枠におさまった範囲でのことしかできていません。

働き方も数十種類を規則で細かく用意して選ばせるのが日本流。

 

以前、人事で短時間勤務を導入した時も、システムに乗っけることが出来ないから、決まった働き方しかさせてあげられない。

働く条件は、スキルと家族の条件だけではありません。

子どもの年齢、通勤時間、パートナーの仕事、自分たちのやりたいことなど、多岐にわたります。

おまけに、月によって、週によって、それこそ日によってさえ変わります。

それこそ、100人いれば100通り!

そんな100通りの生き方を理想的なものにするためには、100通りの働き方、雇用契約が必要なのはいうまでもありません。

 

同一労働同一条件を実現する

日本では、同一労働同一賃金が必要といわれています。

でも、それすらも世界からすると遅れていると言わざるを得ません。

なぜなら、グローバルスタンダードは今や同一労働同一「条件」だから。

日本では、フルタイムとパートは、正規・非正規と訳されて、同じ条件であることは稀です。

 

ですが、海外ではそんなことはありません。

フルタイムパート関係なく、給与は同額ですし、働く内容も同様です。

それだけではありません。

福利厚生や研修も保証されていますし、昇格や昇級といったキャリアも同様に保証されている。

これが同一賃金同一条件です。

 

これには、成果といわれるものをもっと具体化させることが必要不可欠になるので、日本企業がどれだけ本気で取り組めるかがカギになるだろうと思います。

この考え方が進めば、働き方改革同様に取りざたされている復業だってきっと浸透しますよ!

 

答えを決めてしまわない

日本では、to doリスト的な本がよく売れるように、みんなと同じゴールを見据えたものが好まれる傾向があるように思います。

誰かの成功体験は、自分にとってもそうであるか?

おそらく多くの場合、そうではないでしょう。

だって、我々は誰かと自分はまったく違った人生を歩んで、まったく違った価値観をもっているわけですから。

オランダを含めた欧米も、多くがこの「まったく違う」ということが前提です。

全く違うわけですから、誰にもで当てはまる答えなど当然存在していません。

こういう「答えを決めてしまわない」スタンスが大事なんですね。

だって、一人ひとり答えを見つけるために必死になりますから。

 

今回、上であげたことは、内容のほんの上澄みです。

お話を聞けばきくほどオランダの魅力に引き込まれます。

オランダに行く必要はないと思いますが、ぜひとも一人ひとりが自分のことを一生懸命考えられるようなって行って欲しいと思います。

そうなれば、みんなが幸せになり、結果的に子ども達も幸せになれるはずですから。

 

以上、まだ行ったことないオランダにもいつか・・・篠田でした。

 


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篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]