お盆のFJKイベントの昼休み、事務局長の島津と話をしていて考えたこと。
近年の隕石落下映画といえば『アルマゲドン』と『ディープ・インパクト』が有名です。
隕石落下映画マニアの事務局長はこれに『アステロイド/最終衝撃』を加えてました。
3作とも1997〜1998にかけて公開され、隕石映画豊作の年と言われています。
この中で僕が好きなのは、地球規模の災害の中でヒーローではない人間を描いた『ディープ・インパクト』なんですが、今日描きたいのはそこではありません。
これらの映画を遡ること35年、1962年公開の日本映画『妖星ゴラス』。
上の3本のアメリカ映画では共通して「地球を守るために隕石を破壊する」という解決方法がとられています。
対して妖星ゴラスでは、地球に迫る隕石を破壊せずに解決する方法が描かれています。
さあ、その方法をググらずに30秒考えて下さい。
あーっ!まだ3秒ですよ!!
正解は、
「地球がよける」
どういうことかというと、南極に巨大なロケットエンジンを設置して、隕石の進路から地球をずらします。
アメリカ「隕石を破壊する」
日本「地球がよける」
言葉を並べてみると違いが歴然ですね。
これには理由がありまして、迫っている妖星ゴラスが地球よりもはるかに大きい質量があり、破壊不可能なのです。
この解決方法も理由も含めてある意味とっても日本的だと思います。
まず、相手を壊さずに自分がよけるという発想。
何よりも和を尊ぶ感覚がないと出てきません。
次に、外から来るものは常に自分より大きくて強いという発想。
古代〜中世にかけての中国・近代のヨーロッパ・そして現代のアメリカ文化に対する日本の姿勢そのままです。
妖星ゴラスを観てくださいとは言いません。
観る手段が限られているし、観たとしても演出が古すぎてマニアじゃないと辛いです。
でもかつての日本でこんなステキな発想の特撮映画が作られていたということはお伝えしておきたい。
家庭で仕事で地域で問題が起こった時に、解決法の一つとして妖星ゴラス的メソッドを検討してみるのもいいかもしれません。
マッチョなアルマゲドン一辺倒じゃなくってね。
この妖星ゴラスの血脈は最新の特撮映画シン・ゴジラにしっかりと受け継がれています。
ゴジラに対するアメリカを中心とした国際社会の作戦と日本の作戦は、アルマゲドンと妖星ゴラスの違いに通じるものがあります。
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シン・ゴジラのステマ記事でした。
これまでのゴジラ映画がファミリームービーとして平均的に家族3人で見てたとすると、
おっちゃんしか観ないシン・ゴジラの興行成績を歴代に並べるためには一人で3回観るしかありません。

和田 憲明

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