なぜ人は給与に文句を言うのか?

篠田です。

先日、「人と自分を比べた瞬間に、自分の評価は地に落ちる」ということを書きました。

同じ仕事をしていて給料が違うとか、
同じ給料なのに違うことをさせられるとか、

そんなことを言っても正直なところ仕方がないと思うものの、こうした不満が起こる理由はどこにあるんでしょう?

職能給は古い?

この理由の一つとして、職能給への不満が挙げられると思います。

日本企業の多くは、能力に応じて給与を設定する職能給を採用しています。
働くだけ能力が向上するため、そのぶん年々給与額を上げましょう、という年功序列の考え方です。

これだと、10年目の人と1年目の人では給与が違います。

でも、どこも少ない人数で仕事をこなさないといけないので、やることが案外変わらなかったりします。
これが不満の根本にあるような気がします。

職務給なら万事解決?

職務給とは、ひと言でいうと「仕事内容」によって給与額が変わるというものです。

これだと、こなす仕事次第で給与が変わるので、仕事歴が1年目だろうと10年目だろうと違いはありません。

一見、不満は解消するように思えますが、ことはそう単純ではありません。

日本的雇用慣行は一筋縄ではいかない

日本の企業は多くが終身雇用、年功序列、企業別組合という日本的経営(日本的雇用慣行)をしいています。

このなかのとくに終身雇用が、職務給の導入を難しくしているのではないかと僕は考えています。

企業はゴーイングコンサーンという使命を背負いつつ、終身雇用も実現しなければなりません。
終身雇用を実現するということは、労働者の生活を保障するということでもあります。

そうなると、企業としては仕事内容によって給与を設定するのはとても難しくなります。
職務給を採用すると、異動のたびに給与額が変わってしまうため、生活の保障が実現できないからです。

これが結果として、職能給を採用することになる理由にもなります。

職能給っていうのは、実は労働者を守ってくれる制度でもあるのかなと感じます。

職務給が一般化している欧米では、自分の生活水準を上げるためには転職を重ね続けます。

様々な意見があるのは当然ですが、職能給と職務給それぞれのメリットとデメリットをきちんと認識することが、まずは大事なのではないでしょうか。


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篠田 厚志

篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]