2日間の「ファザーリング全国フォーラム」に参加した翌日、僕はなぜか大阪に帰らず東京にやってきた。
NPO法人ETIC.の仕掛ける「社会起業家全員集合セッションLIVE」に参加するためだ。
普段こうしたイベントに参加することは多くない。
なぜなら、こういうセッションが実はとても苦手だからだ。
知り合いがほぼいない状況で、会話や共有が出来ないことは、僕にとってはかなり過酷だ。
しかし今回は、ご縁をいただいて招待してもらっていたし、山形からの帰り道ということもあって、思い切って参加してみた。
アイスブレイクがメッチャ長げぇと思ってたらいつのまにか本題だった
オープニングは、近くに座っている人とのアイスブレイク。
「今の気持ち」「この二日間でよかったこと」についてシェア。
その後、「マインドフルネス」というものにチャレンジし、自分の心の声とやらも確認してまたしてもシェア。
さらに、「2020年、世界はどんな姿をしているか」「自分はどのように影響しているのか」といったことも考えてシェア。
このへんでふと思う。
「アイスブレイク長げぇ~」
でも、そう思い始めたころに前半の時間がすでに終了を迎えていることを知る。
そう、それはすでにアイスブレイクではなくすでに本題だった。
なぜなら、今回のセッションのテーマは「私」だからだ。
このいつの間にか、正直チョット戦慄した。
「私」と「プロジェクト」と「世の中」
このセッションにおいて、もっとも重要なポイントだったのが、「私」というものの重要性の認知だ。
ともすると、起業家は「プロジェクト」からスタートし、「世の中へのインパクト」について考えがちで、「私」というものの存在が抜け落ちていることが多い。
しかしそれではいけない。
「私」というものは「プロジェクト」と「世の中」と密接につながっているからだ。
例えて言うなら、「プロジェクト」はエンジンで「私」はガソリン。
このふたつがあって「世の中」という車が起動する。
「私」がなければ何事も始まらない。
「私」をおろそかにしてしまうなら、それは決してサスティナブルではない、ということだ。
どこにたどり着くのか考えていたらいつの間にか終わっていた
話は「私」というものの重要性を軸としつつ、本題の「コレクティブインパクト」に進む。
「コレクティブインパクト」と言われても、正直なところ何のことかよくわからない。
いろいろ調べた結果、「組織の壁を越えてお互いの強みを活かし、社会課題の解決を目指すアプローチ」ということにたどり着いた。
「組織の壁を越えてお互いの強みを活かす」
先ほど、「私」はプロジェクトを動かすガソリン、だからこそ「私」は非常に重要だという話をした。
だが、「私」の重要性はそれでは終わらない。
これからは、組織を超えた恊働というものが必要になってくると言われている。
そのときに重要なのが「私」という存在だ。
「私」は社会をどう変えたいのか?
「私」はどんな世の中を求めるのか?
「私」はどうアプローチしたいのか?
劇的な変化とインパクトが求められる世の中だからこそ「私」を常に意識し続けないといけない。
セッションはものすごいスピードで進んでいく。
カタカナ文字が多過ぎて頭がクラクラする。
がしかし、なんとか自分ごとに落とし込みながら話を聴いていたわけで、そろそろまとめやなぁと思っていたら、いつのまにか終わりの時間だった。
何を言ってるのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった・・・
頭がどうにかなりそうだった・・・
催眠術とか超スピードとかそんなチャチなもんじゃあねぇ・・・
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。
それほどのボリュームとスピードでした。
「私」は「私」だけのものではない
『るろうに剣心』の主人公緋村剣心が、師匠から言われたセリフを思い出した。
人を切り、幾多の命を奪ってきたお前は、その悔恨と罪悪感の余り、自分の命の重さから逃れようとする。
それを克服するためには、今、おまえが死への恐怖の合間に見出した、生きようとする意志が必要だ。愛しきものや弱きもの、己を犠牲にして守ったところで、その者たちの中には悲しみが残り、ほんとうの意味での幸せは訪れん。
おまえの命も一人の人間の命。
その重さが分かってこそ、奥義への道は開ける。
その命は、おまえひとりのためにあるものではない。
誰かのために死力を尽くす。
もちろん大事なことだが、自分もまた誰からか尽くしてもらう対象であることを忘れてはいけない。
ただ、やっぱり「私」のことを私自身が認識するのはとっても難しい。
本当に大事なのは「私」のことを見守ってくれる人たちではないだろうか。
つまり、社会起業家にはバックアップしてくれる事務局が不可欠。
それを感じさせてもらえるセッションだったと思う。
以上、ありがたみは直接会ったり離れたりしてみて、ようやくわかることに気づく篠田でした。
篠田 厚志
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