僕はRPGが大好きです。
子どもの頃の夢は「勇者になって世界を平和にしたい。」
そんなことを本気で考えている男の子はたくさんいますが、例に漏れず僕も本気で思っていました。
いや、今でもチョビッと、いや、だいぶ思っています(笑)
勇者は100時間だって歩き続ける
RPGというのは、世界を平和にするため、昼夜を問わず旅をします。
三日三晩歩き続ける、戦い続けるなどざらにあります。
魔王を倒す、魔王の城に一刻も早くたどり着くためならば、体力の続く限り歩き戦います。
MPもアイテムもなくなって、これ以上旅を続ければ全滅する可能性があるときだけ、宿屋に戻って休むのです。(MPなどの概念についてここでは割愛します)
勇者の仲間は見返りなどもとめない
RPGではたくさんの仲間とともに旅をします。
彼らは、それぞれに使命があります。
主人公の想いに共感する者。
自分の課題を解決したい者。
名を挙げたい者。
さまざまです。
ですが、彼らは旅をともにしても、決して自由に使えるお金は手に入りません。
本来は、冒険仲間を集めるときに賃金なども必要になるはずですが、RPGの世界では通常、全員が命をかけたボランティアといっても過言ではないのです。
身を粉にするから伝説となる
素晴らしい心がけですね。
そういうメンバーで構成されるパーティーだからこそ、魔王という偉大な的を倒し、世界に平和を取り戻し、後生に語り継がれる伝説となるのでしょう。
世界平和のために、主人公たちは身を粉にする覚悟が必要なのですね。
現代社会に例えると「超」がつくブラック企業?
ここで話を現実に戻してみましょう。
現代社会では今、長時間労働が大きな問題となっています。
長時間労働は、現代社会のさまざまな問題の温床となっていることは疑いの余地はありません。
- 少子化問題
- 過労死問題
- 女性活躍問題
- 人口減少問題
などなど、日本が決して捨て置けない問題だらけです。
だから、長時間労働を解消すること、それが今の世の中にとって必要だと言われています。
そう、長時間労働こそが諸悪の根源、つまり魔王であり、こやつがはびこっているうちは世界に平和は訪れない。
という具合です。
勇者パーティーはブラック企業ではない!
話を主人公たちに戻しましょう。
この場合、RPGの主人公たちはいわゆるブラック企業で働かされているサラリーマンといったことになるのでしょうか。
そんなことはありません!
主人公たちはたしかに長時間労働です。
でも、それはきっと問題になりません。
なぜならば・・・
「世界中すべての人が協力者である」
「一刻も早く解決してもらいたいと願われている」
なによりも・・・
「自ら納得して命をかける理由がある」
「私自身のためにそれが必要である」
こうした理由があるから、主人公たちの冒険は諸悪の長時間労働とはならない。
僕はそう考えます。
「長時間労働=悪」なのか?
もちろん、「自分さえ働きたければ長時間労働してもよい」などと言うつもりはありません。
それは、「その長時間労働が自分も含めたすべての人から求められているかどうか」によるからです。
自分自身がもっと働きたいと思っていたとしても、まわりには早く帰りたい人もいるかもしれません。
自分自身がもっと働きたいと思っていたとしても、早く帰ってきてほしいと願う人もいるかもしれません。
自分自身の行動には、たくさんの人の想いが重なります。
そうした想いを無視して行う長時間労働は、はっきり言いましょう。
「悪」です。
ですが、全員の想いが一致してなされる長時間労働であれば「悪」といえるのでしょうか。
たとえばですが・・・
我が子が病気で、一刻も早く治療しなければならない。
そのための治療費を集めるために、父親が1週間不眠不休で働き続ける。
これは「悪」といえるのでしょうか。
もちろん、それによって子どもは助かって父親が倒れてしまっては意味がありません。
なので「良い」とは言えないかもしれない。
でも、だからといって「悪」とも言えないですよね。
本当に深く考えなければ大魔王にはたどり着けない
何が言いたいのか。
物事って単純に白黒つけて、立場を決めてしまえば行動は実に簡単です。
でも、世の中は本当にそんなに単純でしょうか。
もっといろんなことを考えなければならないのではないでしょうか。
上で挙げた我が子の病気のために必死で働くお父さんの長時間労働は「悪」とはいえない。
当たり前やん!という声が聞こえてきそうです。
僕も当たり前だと思います。
でも、その当たり前の線引きはどこで引かれるのか。
その認識できずに「悪」と呼ぶ人が、残念ながら多いような気がしています。
基本的に、長時間労働には反対です。
なので、署名活動にも賛同しています。
でも、そこで「思考を止めてしまう」ことに反対なんです。
もしかすると、いつかあなたが魔王を倒すたびに出なければいけないかもしれない。
魔王だけではなく、魔王を操る大魔王を探し出して倒さなければならないかもしれない。
そのときに、何も出来ずにおどおどする村人になるのか。
それとも、世界を平和にするために立ち上がる主人公になるのか。
僕なら主人公になりたい。
だから、簡単に白黒つけずに本質を考え続けなければならない。
そう思っています。
以上、職業「勇者の父親」希望の篠田でした。

篠田 厚志

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