日本マンガ大賞で2016年に第3位を獲得した「BLUE GIANT」。

将来、何をしたいかわからずに悶々と学生生活を過ごす高校生の宮本大が、ジャズに出会い、世界一のサックスプレイヤーを目指すというマンガです。

 

このマンガは「読んでいて音楽が聞こえてくるってほど面白い!」っていろんな方から何度も勧められるんです。

ジャズ・・・聞いたことはあるけどよく知らない。

ほとんどの人がそうだと思いますし、僕もそうです。

果たして僕みたいな人間にも同じ感覚が得られるのか・・・

 

前半は読むのに体力が必要

個人的な感想ですが、前半はストーリーに入り込めずに苦労しました。

主人公が激しくサックスを吹いていることや、普通の悶々と生活する学生とバイタリティが明らかに違うこともあって、ものすごく体力を消耗します。

ニュートラルでアクセルをふかしているような感じ・・・というのが一番近いかな。

ギアがきちんと入るまで(4巻くらいまで)は頑張って読まないといけないかもしれません。

 

主人公は脇役

5巻くらいになると主人公に仲間ができます。

こうなってようやく読めるマンガになります。

 

仲間ができると、明確な目的がうまれます。

そして、目的ができてはじめて人の成長が描けるようになります。

主人公が惚れ込んだジャズピアニスト沢辺雪祈、大と雪祈に憧れてドラムをたたき出す玉田。

このマンガの醍醐味はおそらく、主人公ではなく彼のもとに集まる雪祈、玉田の成長です。

主人公は残念ながらあまり成長を感じさせません。

自分を信じ、ひたむきに練習し、ただただ世界一のサックスプレイヤーというゴールを目指します。

 

でも、仲間達は違います。

彼らは、常に迷い、苦しみ、乗り越えようと努力し、それが如実に現れます。

雪祈であれば人間としての成長がはっきりと描かれているし、玉田はドラマーとしての成長がはっきりと見て取れます。

彼らこそ実は主人公なのかもしれませんね。

 

しんどくても読みたくなる理由

前半はしんどいですが、このマンガには続きを読ませる力があります。

それは、マンガの先にある主人公の様子、活躍が示唆されていることがわかるからなんです。

各巻の終わりに、主人公の周りにいた人たちの、彼の過去(つまりマンガ上の今)にまつわるエピソードをインタビューされています。

それを読むと、今(マンガ上の将来)がどれほどのものなのかというのが想像できるんですよね。

ゴールを提示されてしまうと、そのプロセスも読みたくなるのが人情です。

成功者の自叙伝みたいなものかもしれません。

ゴールと今の間を、インタビューという絶妙なテイストで表現していることこそが、読み続けるモチベーションなのかもしれません。

 

ジャズといえばBBB

そういえば、僕もちょっとだけジャズを聴いたことがありました。

リゾートで最高のショーだと信じて疑わない東京ディズニーシーのビッグバンドビート(BBB)。

ここに登場するミッキーマウスも、リゾートでもっともクールだといって間違いはありません。

踊れるうえにドラムソロまでやるんです。

観ていないという人はぜひとも次の機会では観に行って欲しい!

僕もこの年末に久しぶりにディズニーリゾートに行きますが、絶対に観ようと思っています。

 

僕にとってのジャズはビッグバンドビートなので、「BLUE GIANT」のジャズを理解するのには時間がかかりそうですが、もう少しお付き合いしていきたいと思っています。

 

以上、ジャズを知らない人間も「BLUE GIANT」を読めますよ!篠田でした。

 


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篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]