大魔王ゾーマからの脱出。

ドラクエ好きな人であれば「とにかく楽しくてしかたなかったでしょ?」って思うかもしれません。

大魔王ゾーマからの脱出

 

でも、ゲームの世界観に生身の人間が入りこむのは容易ではありません。

たくさんの他人で溢れかえった会場。

お題をクリアするために並ぶ人の行列。

そこはお世辞にも、リアルなドラゴンクエストワールドとはいえません。

 

没入感を得られない。

やってて恥ずかしい。

 

やっぱり、ファンタジーの世界に入り込むのは不可能なのか・・・。

そんなことを思いながらゲームにチャレンジし続けていて、それは突然やってきました。

 

第1章(各章でメインとなるプレイヤーがかわる)が終わろうとするころ、クリアした人たちは皆、ある部屋の中に案内されます。

そこでみたものはドラクエファンの心をわしづかみにする映像。

そしてどこからともなく響くドラクエファンの心に染み込む音楽。

その瞬間、部屋の中にいた全員の心が、なんと一つになりました。

投影されたキャラクターの呼びかけに応じて全員が拍手をし、雄叫びをあげ、拳を振り上げていました。

 

大げさに言ってるように聞こえるかもしれません。

でも、決して大げさではありません。

それまでは僕らもどこかチョケながらプレイしていたんです。

でも、第1章のクリアを境にもはやチョケることなくガチでプレイしていました。

マジです。

 

全員が見事にゲームの世界に没入した瞬間です。

 

そこから先はもうドラクエワールドの冒険者そのものです。

自分たちの頭の中には常に、ドラクエIIIのフィールド音楽が流れ続けています。

 

なんでこんなことが起こったのか。

帰りの新幹線でずっと考えていたんですが、ギリギリのところでひとつの結論に達しました。

 

「ドラクエプレイヤーは、全員がほぼ同じ体験を共有している。」

 

たとえば、冒険の書が消えたときのあの耳から消えない音楽とか。

たとえば、アッサラームでワクワクしてパフパフしたらガッカリとか。

たとえば、会心の一撃ではぐれメタルを一発でしとめたときの喜びとか。

たとえば、とりあえず普通は「はい」にすべきところを「いいえ」と回答してみるとか。

たとえば、竜王からの謎の誘いに、最後は戦闘になるだろうからと高をくくって「はい」ってしたらゲームが終了したとか。

 

苦かったり甘かったり、いろんな体験を、プレイヤーはほぼしています。

でも、その体験、実は他の人たちもしているんです。

つまり、知らずのうちに体験を共有しているということなんです。

だから、みんなが知っているエピソードや音楽が流れた瞬間、みんなの気持ちがひとつになったんです。

 

それほどに、体験の共有には大きな力があるんです。

 

個人がとてつもない体験をすることってすごく大事です。

でも、それ以上に体験の共有って本当にすごく大事です。

それを、リアル脱出ゲーム「大魔王ゾーマからの脱出」は気づかせてくれました。

 

子育てにおいても共有体験は必須です。

ファザーリング・ジャパン関西でも、父子ツアーinシアトルというプログラムをはじめ、父と子どもの体験の共有をすごく大切にしています。

子どもにすごい体験をさせるだけではなく、ぜひとも子どもと一緒に体験するということを意識して欲しいなと思います。

 

以上、他のゲームでは残念ながらこうはいかない・・・篠田でした。

 


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篠田 厚志

篠田 厚志

理事長 / おやこヒッチハイカーファザーリング・ジャパン関西
三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。 父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]