宮崎駿はイクメンじゃない、先週のブログの続きです。
アニメ『となりのトトロ』は僕自身も娘たちも楽しんだ作品です。
決してこの作品を否定するわけじゃないということを前提として…
宮崎駿はイクメンじゃない、という前提で『となりのトトロ』を見るとずいぶん印象が変わります。
トトロの中に登場する2人の子ども、サツキとメイ。
すんごく『いい子』です。
このアニメの姉妹の『いい子』っぷりが、リアルに姉妹の父親になってから気になるようになりました。
サツキはすごく頑張っている長女です。
どんなときも弱音を吐かずに、妹の世話をし、家事の多くを引き受け、家族のお弁当まで作る。
そのサツキが一度だけ、自分の不安を現して泣きじゃくるシーンがあります。
でも泣いたのは父親・母親の前ではなく、となりのおばあちゃんの前です。
メイは天真爛漫な次女です。
お父さんとメイが2人で家にいて、お父さんはデスクワークをしているシーンがあります。
メイは一人で遊んでます。
「おとうさんおはなやさんね」
とメイがお父さんのデスクに花を置きますが、決してお父さんの邪魔になるようなことをしません。
サツキもメイも見方を変えれば、親を困らせないとっても『都合のいい子』と、劇中からは読み取れます。
大丈夫か?草壁家の親子関係…
宮崎駿が現実の子育てをこんな風にとらえているのか、それとも現実とは違うと知った上で演出したのか。
サツキは当初の宮崎駿の設定では小学4年生だったのが、スタッフから4年生ではリアリティーがないという意見がでて、アニメでの設定は6年生になりました。
絵本の設定にはそれが残ってます。
これを考えると、宮崎駿は子育てのことをよく知らないで演出したんじゃないかと僕は疑っています。
父親がアニメを作ることを邪魔しない、理想の子どもとして。
優れたアニメ作家であることと、父親であることは全く別のこと。
いくら素敵なアニメだからといって、そこに理想の子どもを見出すのはちょっと危険。
好きですよ。となりのトトロ。ファンタジーとして。

和田 憲明

最新記事 by 和田 憲明 (全て見る)
- 【告知】FJK的オンライン読書会#3 4/16(金)21:00~22:30 - 2021年4月11日
- FJK映像制作サロンはじめました - 2020年8月30日
- 警備員さんはアグレッシブ - 2019年4月25日
- 通学路の女性はロールモデルだった - 2019年4月24日
- 投稿タグ
- オタクパパ