昨日8/9は地元小学校の平和登校日。
学年全体での平和授業が体育館であった後、学年ごとに分かれて絵本を読みます。読み手は保護者有志のボランティアグループ『おはなし会』
僕も長女が1年生のときに入らせていただいて、月に一回絵本の読み聞かせをしています。
今年の2年生の絵本は『せんそうしない』
谷川俊太郎さんが詩を書いた絵本です。
前半は、
ーーー
ちょうちょと ちょうちょは せんそうしない
…
かしのき まつのき せんそうしない
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という詩が繰り返されます。
動物から植物、そして子どもまで。
そこで、ガーンと変わります。
ーーー
せんそうするのは おとなと おとな
…
ひとが ひとに ころされる
ーーー
起承転結の転、序破急の破。
リラックスして聞いていた子供の顔も真剣に。
しばらく戦争の現実が描かれます。
それが過ぎると、
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ぱんと ごはんは せんそうしない
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と、急にほぐれます。
ってか無機物やん!って大人は突っ込みたくなるし、子どもも一気に安心します。
そして笑みがこぼれる。
途中に戦争の現実をはさむことで、このあたりまえの日常こそが平和だということを実感できます。
「この人可哀想でしょ」「オレは怒ってるんだ!」「私は悲しいの(TT)」…
なんて感情を押し付けてくる物語よりも、この詩のように淡々と事実を述べたもののほうが僕は深く感情移入できます。
子どもにも大人の価値判断を押し付けないという点で、すぐれた表現だと思います。
戦争に対する価値判断も、感情移入するかどうかも受け手側に委ねられている物語。
『せんそうしない』たにかわしゅんたろう ぶん えがしらみちこ え(講談社)
ーーー
次回は『物語と感情移入2〜シン・ゴジラ〜』です。
()内の言葉を3つから選んでね。
読んだらあなたはシン・ゴジラを(観たくなる・もっと観たくなる・また観たくなる)!
和田 憲明
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