シン・ゴジラ勝手に応援団の和田です。
良質な怪獣映画が作られ続けられる社会は平和でワクワクする社会。
そのためにシン・ゴジラを応援してます。
劇場で3回観たシン・ゴジラ。
この映画も感情を押し付けてくる映画ではなくて、
淡々と状況を描写する中で、その状況に対してどんな感情を持つかは観客に委ねています。
前回の感想で書いた通り、登場人物の生活が見えず、組織の中で動く場面ばかりなので、きわめて感情移入しにくい映画でもあります。
それでも見ていくうちに感情は自然に入ってくるもの。
そして繰り返し見るうちに感情移入する対象が広がっていきます。
自分と近いものから遠いものへ。感情移入しやすいものからしくにいものへ。
(基本的にネタバレなしです)
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1回目、僕が感情移入したのは主人公の矢口という男性です。
政府の要人としてゴジラへの対応をするも、災害を防ぐことができません。
政府団で訪れた被災地の惨状を前に思わず手を合わせる姿。
そこに単純に心を持っていかれました。
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2回目、僕が感情移入したのはヒロインを演じた石原さとみ(あえて役者名)でした。
彼女は日系3世のアメリカ大使というとってもややこしい役です。
最初の印象ははっきりいって、英語混じりの日本語を話すいかすけない女。
でも彼女が野心家の面と感情豊かな面、アメリカの国益と祖母の祖国日本への愛情、
それらの矛盾に葛藤しているところがわかってきます。
そのキャラクターの内面、そして(役の中でも女優としても)大人として難しい仕事に挑む心意気に共感しました。
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3回目、僕が感情移入したのはゴジラです。
ちょっとゴジラになってみます。
海から出て陸を歩いてた。
BB弾でぱんぱん撃たれた。頭の上から小石を落とされた。ちょっと痛い。
それでも歩き続けたら爆竹を落とされて背中から血が出たので…
キレて熱線を吐きまくった。
こんな感じです。
キレて熱線を吐きまくったシーン、1回目はゴジラに対して「やめてくれ〜!」と思いました。
でも3回目はゴジラになって「みんな死んじゃえ〜!!」と思ってました。
自分は人を傷つけるつもりもないのに、自分のことが理解できないというだけで迫害してくる人間たち。
なんだか孤独な人間、社会からつまはじきにされている人間の代弁のように感じました。
友達がいなくてずっと本を読んでた少年時代の自分や、先日の相模原事件の容疑者にも重なるような…
ああ、自分にもこんな面あったなぁとハッとさせられました。
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自分の感情移入の相手を広げてみる、深めてみるのも物語を楽しむ醍醐味のひとつ。
子どもはアニミズムにはじまり、遊びの中で自然に豊かに感情移入をしています。
親は物語に対してどのレベルで感情移入しているかの自己分析をすることで、子どもとの関わりに活かせるかもしれません。
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では、観てない人は観るために、観た人はもう一回観るために、劇場へどうぞ。
和田 憲明
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