『人生に効くスター・ウォーズ』という本を書いている。スター・ウォーズシリーズと出会ってから34年、旧6作は全部合わせると何度観たかわからない。あんまり気に入っていない新作の7・8の2作だけでも、この3年で合計7回観ているといえば、めっちゃ好きな旧6作をどんだけ観てるか推察していただけるかもしれない。

映画のことを書くとき、どんなに面白くて感動した映画であっても、1回観ただけでその直後に面白い感想を書くことは出来ない。ちゃんと書いた映画は少なくとも2回は観ている。なぜなら僕はお客として観ただけの感想は面白いと思わないし、あんまり書きたいとも思わないから。観客として観る。映画の仕掛けに振り回されて感動する。それは幸せな見方だ。映画はプロの作り手があの手この手で観客を楽しませるように作っている。だから、映画は本来こういう見方でいいのかもしれない。でもそんなお客として観ただけの映画の感想は面白くない。人と話してもレビューを読んでも面白くない。

すごい、ヤバイ、かっこいい、泣けた、笑えた、感動した。うん、そうだよね。作り手はお客がそうなるように作っているんだからそれに乗る。それが一番正しい見方だ。しかし、僕は感動した上に語りたくなった映画は2回目を観る。なぜ自分が感動したのか、その理由を知ってそれを説明したいから。これは作り手の企みを探るという行為でもある。お客視点じゃなくて作り手視点になるのだ。幸い、僕は少し映画の勉強をして、少し映像現場で働いた。読書が趣味で物語、小説を読むのが大好きだ。この3つの土台があることで、少しは作り手側の視点に立ちやすいのかもしれない。

オタクという人種がいる。アニメが好きなのがオタクじゃない。オタクというのはエヴァンゲリオンが深いといい、ラブライブ!のライブで熱狂し、君の名はの聖地巡礼をするだけの人種ではない。それはファンという。オタクと言うのはエヴァの何が深いのか、ラブライブ!になぜ熱狂するのか、多くの人が聖地巡礼をしてしまう君の名はの心理効果はどうしてか?を調べて考えて語ってしまう人間のことだ。オタクは一般人が興味のないそんなことばかり語ってしまうため、世間から浮きやすい。勘違いしてほしくないのだか、オタクはロボットを格好いい、アニメアイドルが可愛いからというだけで好きなのではない。それらを作り上げたデザイナー、監督、動画の人、制作者、声優までを作り手目線でリスペクトできる人間なのだ。

話がそれた。1回目お客として観て2回目作り手目線で観る。それで飽き足らない映画はその作品の周りまで見る。この映画が撮られた社会背景、これまでの映画史の中での位置づけ、監督の過去作との比較、同時代の映画との比較、商売的にはどうか、一般客の反応は?などなど。それらを調べてまた観に行く。観に行ったら気になってまた調べる、調べたらまた……の無間地獄。僕はスター・ウォーズエピソード3・シスの復讐を劇場だけで8回観た。そのあとのDVD・ブルーレイ・オンデマンドを合わせると、数えられない。だからスター・ウォーズのことなら僕はなんぼでも書けるししゃべれる。ただ、それにつきあってくれる人がいないだけだ。だからどうにか人に読んでもらえる表現にして人生に効くスター・ウォーズは書いているつもり。

今日、映画館である映画を観て、感動して、その感想を書こうとしたけれど、こんな文章を書いてしまった。どうして僕は今日感動した映画の感想を書かなかったんだろう? と考えながら書いたのがこの1500字です。今日の映画の感想を書いたら500字に満たなかったしそんなに面白くない文章だったと思う。さて、この文章が面白いかどうかは横に置いて、今日観た映画の2回目に行くかどうか、今僕は迷っている。


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和田 憲明

副理事長 / マジックパパファザーリング・ジャパン関西
マジックパパ代表、主夫。娘の誕生を機に主夫となり保育士資格を取得。FJKでは初代理事長、現副理事長を務める。特技は手品、趣味はSF・特撮・アニメのオタク系パパ。 [⇒詳細プロフィール]