努力した時間は嘘をつかない

君は、７月から野球を習い始めました。

お父さんがずっと習わせたかったことです。

なかなか見に行くことが出来ないけれど、以前習っていたサッカーと違い、とても楽しそうに練習に行く姿をみて、お父さんもとても嬉しく思っています。

早くから習っている子に比べるとまだまだです。

どちらかというと運動の鈍い君は、同じ時期に入った子と比べても少し上達は遅めです。

それでも、頑張ってください。
積み上げた時間は決して嘘をつきません。

君は、お父さんのいうことをしっかり守れる子です。

バットを買った日、「毎日素振りしなさい」と言ったことをしっかり守って、ほとんど毎日素振りをしていますね。

それは必ず成果として実を結びます。
その証拠に、先日のバッティングセンターでは、少しずつボールが前に飛ぶようになってきました。

つい先日まで、まったくといっていいほど当たらなかったのに。

ボールが当たり始めたのはひと言のアドバイスがきっかけでした。

でも、それだけでバットはボールに当たりません。
ボールが前に飛ぶようになったのは、君がお父さんとの約束を守ってずっと素振りを続けていたからです。

その努力があったから、ひと言のアドバイスでボールが打てるようになったんです。
それを忘れないでください。

勉強も同じです。

勉強に費やした時間は絶対に裏切りません。
もちろん得手不得手があるので、すべてが同じく上達するわけではありませんが。

君が大人になってからも同じです。
大人になったら勉強しなくてよくなると思ったら大間違いです。

大人になってこそ、たくさんの勉強をしなければいけません。
そのときに大切なのは、勉強をしてきた時間です。

自分がたくさんの時間をかけて勉強してきたと胸を張って言えるなら、大人になってからの勉強もきっと楽しくなるに違いありません。

毎日の勉強は面倒かもしれません。
でも、勉強に目を向けるのではなく、勉強した時間に目を向けるようにしてみてください。
大人が勉強しなさいという本当の理由はそこにあります。

大人になったときこそたくさんの練習や勉強が必要になります。

でも、大人になると勉強する時間がとっても少なくなるんです。

理由のひとつは仕事です。

それとは別にもうひとつ理由があります。
それは、「自分で時間を作ること」を学んでないことです。

学生の頃の生活は、朝から晩まで詰め込みです。
分刻みの詰まりきった生活のなかでは、自分から練習したり、勉強したりする時間を作ることなどできません。

それではいけません。
自分で時間を作る努力をしましょう。

時間を作る努力は何よりも大切です。
時間は嘘をつかないからこそ、時間を作る努力が必要です。

こんなことを言うのは、お父さんにも経験があるからです。

時間をたっぷり作るようになって、出来るかぎりの時間を費やしたら、実を結ぶようになりました。

でも、この経験は大きくなってみないとわかりません。
だから、これからもお父さんは「練習しろ」「勉強しろ」というでしょう。

つらくなる時が来るかもしれません。

それでも費やした時間は嘘をつきません。
時間を使ってした努力は嘘をつきません。

それを信じて頑張ってほしいと思います。

理事長 / おやこヒッチハイカー：ファザーリング・ジャパン関西

三児の父親。安定の大阪府庁を退職し、NPOの世界へ。父親の子育てはやれと言われてやるもんじゃなく、できる仕組みを作ることが大切。「父親の子育てをヤバくする」をミッションに活動するファザーリング・ジャパン関西の理事長を務める。[⇒詳細プロフィール]